伝達媒体:実施設計・施工図・ITツール

こんにちは、パラーツの鈴木です。本日は、建築現場でのワークプレイスづくりの媒体である「実施設計・施工図・ITツール」について説明いたします。

まえがき

私が、ワークプレイスの生産プロセスを最適化したいと思い検討したいた頃、ものづくり経営学の藤本隆宏先生と建築構法の野場智也先生・安藤正雄先生他が執筆された「建築ものづくり論」に出会い、強く「媒体」を意識を意識しはじめました。

生産プロセスを最適化するためには、まず、曖昧な定義の「実施設計・施工図・ITツール」の意味をイメージする必要があると思います。そこで、私なりの定義をイメージを説明いたします。

Kindle本・より良い方法第二弾:ワークプレイスづくり 現場哲学を持ち創意工夫を凝らす方法!に書いた内容を補足するものです。

Kindle電子書籍第二弾:ワークプレイスづくり 現場哲学を持ち創意工夫を凝らす方法!

実施設計

設計の定義については、建築士法の定義を引用いたします。

建築士法第二条第6項
この法律で「設計図書」とは建築物の建築工事の実施のために必要な図面(現寸図その他これらに類するものを除く。)及び仕様書を、「設計」とはその者の責任において設計図書を作成することをいう。

設計の仮定義を「現地の制約と法的制限を基にして、顧客の要望と設計者の提案内容をまとめた実際のモノをつくるための計画で、各職種の技能者が具体的に現場で作るための媒体」等と解釈すると、どのように書く必要があるか分かると思います。

現場で、つくってくれる方に意思が伝わる必要があるということです。経験がないと分からないことが多々あると思いますが、経験より前に実施設計の役割を意識してみてください。

なお、実施設計の前段階で、基本構想や基本設計というフェーズがあります。設計行為は、無から有を生み出す行為ですので、大まかな構想から着手して徐々に具体的になっていくから、このようなフェーズが存在します。

ただし、設計の目的は、実際にモノをつくることですから、基本構想や基本設計というフェーズで抽象的な内容だけでは、実際には、他者が設計情報を理解してつくれないという現象が起こる訳です。

施工図

施工図は、実施設計の内容に基づいて、実際にものづくりを行う役割が作る伝達媒体です。
実施設計と異なる点は以下です。

・設計図書の精度では実際の施工が出来ない場合に、設計情報に基づき作成される図面。
・設計図書の考え方に技術的課題がある場合に検証用として作成する図面。
・設計図は総合的な図面ですが、施工図は請け負った部分のみの図面。
(請負側の責任範疇のみ)
・実際の設計思想が、物理的・材料的・コスト的に反映できない図面になることがある。
・施工図を作成には、材料等を熟知している必要がある。

ITツール

メール、ショートメール、その他情報を共有するためのITツールはありますが、媒体の精度を高める連絡等ややりとりには有効ですが、ITツールでは、媒体の精度自体をアップさせることはできませんので、注意が必要です。

考察

若い頃に読んだ雑誌の例えを使って、私自身も若者に説明することがあります。それは、建築現場でのワークプレイスづくりは、段階的に詳細化しながら、現地で様々なものを一品づくりするものですもので、「自分でつくるのではなく、他者につくって頂かないといけない」ものです。

そして、製造業と異なり、主につくり手の技量でつくりますから、設計思想に基づく設計情報を正確に伝える必要があります。より良いワークプレイスづくりのファクターは、媒体と担当者のクオリティで決まります。

あとがき

base 実施設計の役割を意識する

現場の生産プロセスを最適化する鍵は、実施設計です。以下のことを理解できると分かってくると思います。

・自分でつくるのではなく、他人がつくる。
・他人が、設計思想を理解してつくることができる精度の情報が必要。
・多数の他人、複数の職種の方がつくってくださっている。

参考文献

参考図書 藤本隆宏他:建築ものづくり論 有斐閣 2015.07.10

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パラーツ計画技術研究所 知の構法構築家 鈴木邦彦

構法と生産
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パラーツ計画技術研究所 代表 / 一級建築士・工学修士

専門領域:建築構法・建築生産・ワークプレイスデザイン・ものづくり経営
主要資格等:一級建築士 / 監理技術者 / 儀礼本科修了 / 茶道文化検定
実績・執筆:Amazonカテゴリ1位獲得著者(単著3冊)、公益財団法人 建築技術教育普及センター テキスト共著 ほか

【パラーツにおける「3つの探求軸」】
■ 建築構法の専門家として
一級建築士として長年建築の現場や監理に携わってきた視点から、構法学の本質を現場実務に活かすことを探求してまいりました。当ブログ「パラーツ」にて、その知見と技術的成果を余すことなく公開していきます。

■ ものづくり経営学の探求者として
ものづくり経営学に基づくマネジメントを探求し、現場実務のマネジメントに活かす実践的な方法を伝えていきます。

■ 日本歴史・文化の探求者として
日本の歴史の探求者として、先達に感謝しながら、歴史の本質と先達の思いを未来へ繋いでまいります。

【学歴・職歴】
・1987年:明治大学大学院 博士前期課程修了(工学修士)
・1987年-1997年:集工舎建築都市デザイン研究所
・1997年-2002年:機械土木系事業会社
・2002年-:インテリア・什器系事業会社
・2022年-:パラーツ計画技術研究所 設立
「建築・都市・土木・インテリア」という多様な領域にまたがり、「開発・設計・監理・管理」という多角的な実務経験を長年にわたり積み重ねてまいりました。

【執筆・著書実績】
[単著]
・『ワークプレイスづくり 安心とゆたかさのために』
・『ワークプレイスづくり 現場哲学を持ち創意工夫を凝らす方法!』
・『ワークプレイスの知 苦手意識があるワーカーのための法を味方につける方法!』

[共著・公的テキスト等]
・『インテリアプランナー更新講習テキスト ワークプレイスのリ・デザイン』(公益財団法人 建築技術教育普及センター)
・『インテリアプランナー更新講習テキスト New NormalとWorkplace』(公益財団法人 建築技術教育普及センター)
・『SD別冊25 近未来実験集合住宅NEXT21「部品3パート」』
・『コンバージョン[計画・設計]マニュアル「サブシステム・インフィル」』
・『群居29 特集X年目のすまい』 ほか

【ブログ運営の目的と基本姿勢】
当ブログは、これまでの人生の中で縁をいただいた専門・組織・分野における多様な実務経験と実直な学びを基に、ワークプレイスに関連する技術的成果により、これからの未来を生きる後世の役に立つために創業した「パラーツ計画技術研究所」の公式ブログです。

自らの専門分野を広義・狭義にわたり説明すると共に、関連する先達や第一人者の成果を尊重・引用させていただきながら、読者の実務や人生に役立つ「生身の知恵(単なる知識ではなく、本質を見抜く智慧)」のプラットフォームとして発信を行っています。

[参考文献およびAI協働ポリシー]
本記事の執筆にあたっては、時代や分野を越えた「より良い方法」を導き出すため、各分野の先達や第一人者の知見を拝受すると共に、AI(Google Gemini)との対話を通じて得られた知見を情報の整理および構造的な考察の補助として活用しています。人間の「身体感覚(手)」とAIの「知(脳)」が尊厳を持って協働し、時空を越える「安堵」の空間を追求する――これからの時代における「人間とAIの共生」のあり方を、本ブログを通じて実践・記録しています。

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