こんにちは、パラーツの鈴木です。
本日は、私が近代日本の代表的思想家で最も尊敬している内村鑑三の著作、代表的日本人と後世への最大遺物から学び、内村鑑三の思想の根幹の通り、実践し実体化している今日について説明いたします。
まえがき:人生とは未来へ手渡す「準備」である
今から10年前、テレビ番組『NHK 100分で名著』を通じて内村鑑三の思想に向き合った日のことを、昨日のことのように思い出します。そこで投げかけられた「人間の生涯とは準備的であり、人生とは受け継がれゆくものである」という問いは、私の生き方や事業に対する視座を根本から揺さぶるものでした。
人生(Life)とは、私たちが生きている間だけの所有物ではありません。それは「①他者」「②天(超越的な存在)」「③歴史(先達と過ぎ去った時間)」という、目に見えない無数の関係性の中で編み上げられる織物のようなものです。自分が何を成し遂げたいかという個人の成果に執着することをやめ、自らの命を「未来へ渡すための準備」として捉え直したとき、私の中で事業の真の目的が静かに形を成し始めました。
5人の偉人に学ぶ「目に見えないもの」への誠実さ
内村鑑三が『代表的日本人』で取り上げた5人の先達-西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮の姿には、共通するひとつの姿勢があります。それは、目に見える名声や目先の損得ではなく、目に見えない根底にあるものに人生を捧げたことです。
西郷隆盛は自我を捨て「天」の意思に耳を澄まし、上杉鷹山と二宮尊徳は経済と道徳を分離せず、大地を愛し、民と共に時間を過ごし、評価されにくい「根っこ掘り」を評価しました。そして、中江藤樹と日蓮は、単なる知識の注入のようになってしまった現代の教育とは異なり、「人間が本来持っている徳性を思い出させる」教育に命を燃やし、民のために野に下りました。
この5人の偉人たちは、勝ち負けという浅い価値観を超え、ただ自らに与えられた『役割』に向き合い、100年後の未来に向けた「小さな勇気」を積み重ねたのです。
パラーツが掲げる『3つの遺産』の実体化
10年前に内村鑑三の教えから受け取った種は、私の中で熟成され、現在の経営と生き方の現場で「3つの遺産」という実体になりつつあります。パラーツは、「三位一体のインフラ」として未来に遺したいと考えています。
①思想(真理の体系化)
師や先達から受け継いだ叡智(誰にも備わっている知恵)を発展させ、他者と比べることのない「真の人間(本来、人間にはこの可能性が備わっている)」を呼び覚ます教育・学問体系として整理し、後世へ言葉で遺すこと。
②事業(身体の養生と生涯現役の実践)
呼吸と身体を整え、命ある限り現場で自らの職責を果たし続ける「勇ましい高尚なる生涯」そのものを事業として示すこと。
③基盤(次世代が自立できる財務・組織構造)
私という存在がいなくなった後も、先達の導きだけに頼らず、次世代が安心して自由に芽吹き、発展できる足元の安堵(財務と組織のインフラ)を遺すこと。
果実の真価を知るのは「食べた人」です
人間は樹木のように静かに根を張り、時間をかけて成長します。そして、その木が結んだ果実の本当の価値を知るのは、自分自身ではありません。その実を口にし、滋味(じみ:ほっとするような深い味わい)を受け取った「後世の人々」だけです。だからこそ、自らが何者であるかを誇らしく語る必要はありません。
本を読み、思考を重ね、現場の足元を耕す。その営みのすべては、未来をゆたかにするための「準備」です。先達から受け取った無数の光を、「パラーツ」という器を通して、「思想・事業・基盤」へと昇華させ、100年後の土壌に愚直に報恩の種をまき続けます。
結び
自分の年齢が50代に差し掛かり、この先の定年までの期間の短さを感じたとき、それまで自分が歩んできた道を振り返り、純粋な気持ちで、何かを遺したいと思われる方は少なくないと思います。ただそう思ったとしても、社会に役立ち後世へ何かを遺す『方法』の手掛りがないと始まりません。
私は、20年程前から主体的に学び試行錯誤している中で、この内村鑑三の思想に出会って、『これだ!』と思い、基本的には、その思想通りに進めて来ました。
「今だけ、金だけ、自分だけ」というアメリカンビジネスには染まりたくないため、地道にコツコツ活動して、事業を軌道にのせるには多大な時間を要しますが、頑強な基盤を築くためには必要な試練です。日本生まれの正当な商売の原型である「石門心学」の教えを良く守り精進して行きたいと思っています。
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パラーツ計画技術研究所 知の構法構築家 鈴木邦彦
