こんにちは、パラーツの鈴木です。
本日は、至誠のマネジメント3に続き、日本の歴史や思想を具体的に紐解きながら、西洋型PMを日本的感性で再構築する方法について説明いたします。今回も、浜崎洋介先生の解説動画を参考に考察を深めています。
〇縮み志向・シラス:「大風呂敷の理論より手触りのある至誠-「縮み志向」と「シラス経営」が現場を一つにする」
参考動画:「縮み志向」って何?日本人の強さの秘密と世界に類を見ない日本文化の正体/浜崎洋介先生
まえがき
本日は、縮み志向やシラスという現象と共に、その背景にある調和感・美感・純粋体験などの日本人の倫理や哲学についても説明し、日本的感性のイメージを膨らませてほしいと思っています。
私の主体的な歴史を紐解く活動の中で、神武天皇の言葉や即位前記に由来しているとされる「シラスと養正(ようせい)」のイメージをしっかりと掴んでいますので、この現象と背景にある調和感・美感・純粋体験は、先達が、シラスと養正の考え方をその時々の社会状況に併せて稽古照今してきたことが分かります。
縮み志向の反対の「広がり志向」となってしまった大東亜共栄圏構想(大東亜戦争)と現代のグローバリズム(失われた30年)、そして、少なからず影響を受けている私たちの現場においても「手触りのある現場」を取り戻す大前提となる考え方、私たち一人ひとりが意識し直すべきことを説明いたします。
日本的奥義による至誠のマネジメント(パラーツ×Gemini)
・すべて「枠組みを極限(コンパクト化)することで、精神性を極限まで高める」という日本的奥義を前提にして西洋的マネジメントの比較をすると下記のようになります。
「西洋的マネジメント」
無限拡大/外部への侵略/大規模化/数値と地位の防衛 ⇒ 膨張と疲弊
「日本的「至誠」マネジメント」
縮み/小規模化/凝縮/役割と密度の追求 ⇒ 内部の充実と大安心
・日本人が本来持っている「縮み志向・小規模マネジメント」こそが、過度な保身から人間を解放し、「役割(至誠)」に徹して輝ける日本独自のマネジメントモデルです。
日本文化の「縮み」の構造と至誠の融合(代表例の紹介)
(パラーツ×Gemini)
●俳句(十七音の極小表現)
言葉を際限なく広げるのではなく、わずか「五・七・五」という最小の枠組みに凝縮するからこそ、そこに四季の深遠な宇宙が立ち現れる。
●茶道・正座(極小空間の美学)
広大な大名屋敷ではなく「二畳・四畳半」という狭小な空間に身を縮め、正座して無駄な動きを削ぎ落とすことからこそ、人と人との対話で真摯な交わり(和敬静寂)が生まれる。
●武士道(「私」を縮める無私の精神)
「私(エゴ・保身)」をどこまでも小さく縮め(無私)、与えられた「型(役割)」に徹底的に徹することで、本人に死生観を超えた至誠と強さが宿ります。
日本を代表する思想家・経営者との共鳴(パラーツ×Gemini)
●西田幾多郎先生(場所の論理と純粋経験)
自己を世界へと拡大して支配するのではなく、「いま、ここ」という限定された『場所』において自己を滅ぼす(場所的自己限定)ことで、絶対的な真理とつながるという思想です。
西田哲学における「純粋経験」とは、主観と客観が分離する前に自分と対象が完全に一体化して没頭している状態(主客未分)を指します。自分と相手(あるいは仕事)を冷たい損得勘定で切り離している間は、本当のチームワークは生まれません。リーダーとなるマネジメントが信念と至誠をもって「命懸けで今ここ」に集中するとき、その熱量が現場に伝播し、言葉や理論を超えて「この仲間と共にこの目的を成し遂げたい」という純粋経験的(主客一体)なエネルギーへ昇華していきます。
●丸山真男先生(日本の「古層」と人間関係)
巨大な抽象的なイデオロギーよりも、身近な「小規模な共同体や現場」における生々しい実体と人間の絆を重んじる思考形式が重要であると説かれています。
西洋の組織論やPMは、「契約」「普遍的ルール」「理念」といった抽象的なフレームワークを上に置き、人間や現場をそこに当てはめようとします。これに対して、日本の古層にある思考は、「目の前で起きている事実」「直接顔が見える関係性の情愛」「現場のリアルな手触り」を何よりも重視します。理屈やマニュアルがどうであれ、「目の前にいる仲間や現場がどう感じているか」が判断の最大基準になります。
●井上毅先生(東洋倫理と国体・教育)
西洋の個人主義や外征的・市場主義的な拡大ではなく、内面的な徳目や「一隅を照らす」身近な修養を国や社会の基盤とした思想です。
井上毅先生が起草に深く関与した大日本帝国憲法(明治憲法)の公式解説書である『憲法義解』において、「この国の統治は、「ウシハク(支配)」ではなく、「シラス」である。」と明確に示しています。
●松下幸之助先生(周知を集めた全員経営)
『電子書籍第一弾・安心とゆたかさ』で説明したように、日本の高度経済成長を牽引した松下幸之助をはじめとする著名な経営者は、会社が大きくなると抽象的になり人間的な触れ合いが難しくなり手に負えなくなるため、小規模マネジメントが取られ、皆で「シラス」と「養正」を意識して切磋琢磨して会社を支えた結果、あの高度経済成長が支えられたのだと感じています。
考察
至誠のマネジメントの連載をはじめて4回目になりました。この4回で、私の経験に基づく疑問にはじまり、歴史的背景を示した上で、西洋型PMの手法では足りない考え方と手法に対して、日本的感性から適切な手法を加えて再構築する提案をしました。
今の方法では隙間を埋めることが困難な理由を示した上で、自ら考えて正しく振る舞う能動的・自律的な「インテグリティ(真摯さ)」の重要性を説明しました。そして、チェックシートを超えて、「シラス(至誠・協創)」の現場へ再構築することを提案しました。
「シラス」という概念を素直にイメージすることが難しいため、「シラス」概念をより立体的に把握してもらいため、「気のエネルギーを整え『整流』へ」「フェアプレイ精神」「スペシャリストの役割主義と知足(感謝・五観の偈)」「隙間の至誠(菩薩行)」「自己統制(如来)」などの具体像を深掘りしました。
このブログのこの現象と背景を併せ、日本的感性を感じて頂けると、西洋型PMの課題と日本的感性を適切に加える価値を感じて頂けると思います。
次回【至誠のマネジメント5】では、至誠のマネジメント1で触れた、マネジメントの歴史をより深掘りして、フレデリック・テイラーの成果を引き継ぎ、より人間本位の現場にする努力をされたピーター・ドラッカーの想いに踏み込んでいきます。
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パラーツ計画技術研究所 知の構法構築家 鈴木邦彦
