こんにちは、パラーツの鈴木です。
本日の記事は、竹田恒泰先生の「中学歴史講座第16回 ~飛鳥時代と聖徳太子~」からの学びをもとに、現代の組織とワークプレイスのあり方を紐解いていきます。
巨大な古墳の造営から、中央集権的な律令国家・仏教文化を中心とした「飛鳥文化」へと大きく舵を切った飛鳥時代。聖徳太子と蘇我馬子が目指したのは、巨大な大帝国(隋)に対して盲目的に従属することでも、その文化を丸呑みすることでもありませんでした。外来の先進技術や制度を主体的に吟味し、人間としての「徳」を最上位に据えて再構築するその姿勢には、現代のビジネスや建築プロジェクトにおいて、流行りの手法(How)に流されず独自の基盤(Why)を築くための鮮やかな知恵が宿っています。歴史の転換点にみる組織論の真髄を探ります。
まえがき
竹田恒泰先生の講義における重要な視点は以下の通りです。第15回で触れたように、第21代・雄略天皇(和王武)が中国からの冊封体制からの独立を決断された流れを受け、飛鳥時代とは「日本が独自の天下(秩序)を自ら創造していく時代」でした。
●講義のキーポイント
・律令国家はどのように形成されたか?
・外国からどのような影響を受けて中央集権を進めたのか?
・中央集権国家とはどういう国なのか?
・聖徳太子はどのような政治を行なったのか?
・十七条憲法の中で私たちが今守るべきものがあるだろうか?
参考動画:竹田恒泰中学歴史講座 第16回 ~飛鳥時代と聖徳太子~
パラーツ×Gemini視点:現代のワークプレイスとプロジェクトへの応用
聖徳太子の政治改革や飛鳥時代の国家形成のプロセスには、現在のワークプレイスデザインやプロジェクトマネジメント(PM)の現場に通じる「3つの極めて重要な教訓」が内包されています。
①外来トレンドの主体的受容:「盲目的な輸入」と「主客の選択」
中国(隋)の圧倒的な大帝国を前に、周辺諸国がその制度や文化を無批判に丸呑みした(あるいは宦官や纏足のような不健全な制度まで取り入れた)のに対し、日本は「入れるものと入れないもの」を厳格に選び抜き、さらに日本流にアレンジしました。
●現代のワークプレイスへの応用
近年の「流行りのマネジメント手法」「AIツール」「オフィスのトレンド(フリーアドレスや海外風デザイン)」を、本質的な吟味をしないままに導入してしまうケースが多々見られます。真のプロジェクトマネジメントとは、外からの圧力や流行(How)に迎合するのではありません。「自社の事業の目的(Why)と至誠」に照らし合わせ、何を取り入れ、何を切り捨てるべきかを主体的に決断する「主客の作法(主体性)」にこそ本質があります。
②冠位十二階と「徳」の最上位化:看板(How)より人間の基盤
中国の官僚制度における価値観(礼や義など)の順序を問い直し、あえて最上位に「徳(困った人を見かけたら見捨てない誠実さ)」を据えた聖徳太子の改革。
●現代のワークプレイスへの応用
現代のプロジェクトや組織は、個人のスキルや資格、役職という「看板(How)」ばかりが評価されがちです。しかし、どれほど高度な専門知やシステムを持っていても、組織を支えるメンバー間に「他者の痛みや場への至誠(徳)」がなければ、現場は必ず不整流(ミスコミュニケーションや利害争い)を起こします。スキルの前に「人間としての基盤(徳)」を尊ぶ評価と信頼の構造こそが、真の組織インフラとなります。
③十七条憲法と「和の精神」:独裁とバラバラの対極にあるもの
「和を以て貴しとなす」に代表される十七条憲法は、強力な独裁リーダーによる強権支配でもなければ、各自がバラバラに利権を主張する混沌でもありません。一人ひとりの人間の欠点を認め合い、多人数で議論とチェックを重ねてより良い合意形成を目指す日本固有の意思決定の原点です。
●現代のワークプレイスへの応用
現代のビジネス現場における「効率化(トップダウン強行)」や「ドライな契約社会」の弊害に対し、私たちが取り戻すべきなのは、関係者が同じテーブルにつき、お互いの専門知を敬い認めて「あまねく請う(普請)」という対話の文化です。形骸化したルール(行政法規として憲法)ではなく、仕事に向き合う心の構えとしての憲法(ポリシー)をチームで共有することの重要性を教えてくれます。
Kindle電子書籍(全三巻)のご案内(あとがきに代えて)
本記事で触れた思考法や実践知は、Kindle電子書籍『パラーツ文庫・より良い方法シリーズ(全三巻)』にてより体系的にまとめています。
【第一巻】『ワークプレイスづくり 安心とゆたかさのために』
(建築とワークプレイスの視点から紐解く総論・基礎思想)
★創刊・普及特別価格:290円(ペーパーバック版1,320円より約78%OFF・期間限定)
※「まずは第一巻から知の体系に触れていただきたい」という想いから、現在お試し価格にて公開中。
【第二巻】『ワークプレイスづくり 現場哲学を持ち創意工夫を凝らす方法!』
(現場視点から紐解くプロジェクトのより良い在り方と実践)
【第三巻】『ワークプレイスの知 苦手意識があるワーカーのための法を味方につける方法!』
(歴史を根本から理解し生成AIの活用法までを学べる法規範・構造)
現場での実務経験、日本文化や思想の探究、そして最新テクノロジーの活用を統合し、「一隅を照らす」知恵として凝縮した一冊です。Kindle Unlimited(読み放題)にも対応しておりますので、ぜひお手元に置いてご活用ください。
パラーツ計画技術研究所 知の構法構築家 鈴木邦彦
