こんにちは、パラーツの鈴木です。
本日は、ワークプレイスの構成要素について書きたいと考えております。
はじめに
テーラリスト・オフィスからはじまったリアルなワークプレイスは、建築という不動産と密接ですから、リアルなワークプレイスを構成する構成要素を不動産と動産を基にして説明いたします。
一般的な執務空間の構成要素
別の記事コンテンツ「ワークプレイスとは?【用語】」で説明した通り、現代のワークプレイスには、いつでもどこでも仕事が出来る環境が整ってきました。また、リアルなワークプレイスである執務空間・公共空間・店舗・住宅・屋外のリアルな空間には、それぞれの構成要素がありますが、概ねの構成要素の仕組みをお伝えするために、ここでは一般的な執務空間の構成要素を説明いたします。
執務空間を構成している要素は、大きく不動産と動産に分かれます。不動産と動産は法的な規制がまったく異なりますので注意が必要です。
リアルなワークプレイスの主な構成要素は、以下です。
①内装造作工事や間仕切工事
②電気設備・空調換気設備・電話LAN設備工事・AV工事などの設備工事
③各種の運用サービス
④デスク・椅子・ローパーティションなどの家具
⑤OA機器などのプロダクト
⑥パソコンやスマートフォンなどのデバイス
⑦ステーショナーやテーブルウェアなど
これらのうち、①と②は不動産的な手続きが必要で、③は内容により不動産・動産のどちらかに分かれ、④・⑤・⑥・⑦は、動産的な手続きが必要となります。
不動産・動産等の法的定義
物および不動産及び動産の定義
民法によると、物および不動産・動産は定義されています。
・この法律において「物」とは、有体物をいう。(民法第八十五条)
・土地及びその定着物は、不動産とする。(民法第八十六条第1項)
・不動産以外の物は、すべて動産とする。(民法第八十六条第2項)
*有体物とは、「法律で、物理的に空間の一部を占めて有形的存在をもつ物。」です。
物権(民法 第二編)
物権とは、民法により創設されている所定の物を直接支配する権利です。
・不動産は所有権等、動産は占有権にあたります。
・不動産は、不動産登記をすることによって、物権(所有権等)を第三者に対応することができます。
・動産に関する物権の譲渡は、その動産の引渡しをもって、第三者に対応することができます。
〇参考法令:民法
建築物の定義
民法による不動産の定義は、「土地及びその定着物は、不動産とする。」です。
建築基準法による建築物の定義は、
「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀、(省略)をいい、建築設備を含むものとする。」です。
これらの定義から、執務空間のように、建築物にWorkplaceを構築するには、建築基準法等の建築関連法規の規制をクリアする必要があります。
〇参考法令:建築基準法
社会秩序の維持
このように、民法の物権の担保や建築基準法による建築物の最低の基準の確保等によって、社会秩序が保たれているのです。
関連
不動産的要素を不動産的要素が混合して発展してきたワークプレイスの歴史については以下の記事コンテンツにまとめています。参考としてください。
〇ワークプレイスの歴史:「ワークプレイスの歴史」
考察
建築の実務を長くやっていると、建築やインテリア(不動産)の品質や性能と、家具・什器・備品の品質や性能、供給体制やメンテナンスに違いを感じてしまいます。動産は交換できますが、不動産は容易に交換出来ない場合や直さなくてはいけない場合があることを、関係者はしっかりと認識する必要があると感じています。
まとめ
base 社内資本と民間資本の積上げが、より良い都市や街になる
一般的な執務空間であるリアルなワークプレイスのほとんどは、民間企業等所有する民間資本です。
社会資本と共に、良い民間資本の整備が、より良い街や都市につながると思います。
参考文献等
参考文献 インテリアプランナー更新講習テキスト ワークプレイスのリ・デザイン