こんにちは、パラーツの鈴木です。
本日は、内田祥哉先生の共著から、「建築と建築学」を説明いたします。
はじめに
本書は、東京大学教養講座2・学問における価値と目的という書物の中の「建築と建築学」から学ばせて頂ける内容です。
ワークプレイスは、学問として体系化されている分野ではないと認識していますので、建築と建築学の歴史から学べることは多いです。
建築と建築学
●前提
「建築は、人間生活を支える基本要素といわれる衣・食・住の一つであるから、人間生活と学問という命題は、建築と建築学という命題の中に映し出される筈だ。」
●建築の特徴
・建築は、エンジニアリング(工学)の産物か、芸術の産物かはっきりしない。双方が協力してつくっていくもの。
●明治以来の建築の歴史
・建築という言葉は、明治以降に作られた。
●明治以来の建築学の歴史
・明治以来の建築学は、西洋建築の導入が目的であった。
(西洋建築についての実務教育ための知識)
・当初は、日本で育てられた伝統的技術は見落とされていた。
・1919年、建築基準法の前身である市街地建物法が施行された。
・1923年の関東大震災と共に、耐震建築という日本独自の研究が行われた。
・この頃から、構造、設備と専門分化されていく。
●日本建築史のはじまり
・西洋の建築には建築史が整備されていることが分かり、日本でも古建築の調査がはじまった。
●新技術の導入
・19世紀の終わり、日本に鉄筋コンクリートの技術が導入された。
●課題
・技能の分野の学問が欠けていた。
⇒今でも充実していないと解釈しています。
・建築には個別性がある。個別性は供給側での個別性は控え目にして、使う側で工夫。
(【学問における価値と目的 p.87~p.111より引用)
考察
技能と個別性という課題は、コスト、マネジメント、耐久性という観点で大きな課題です。今までの学術で積み上げてきた成果を正しく見て、少しづつ改善していかないといけないことだと考えています。
ワークプレイスの分野は、歴史書や技術書がほとんどないと解釈していますので、手がかりとなる学びを積み上げていき、より良い方向を示唆したいと考えています。
ワークプレイスの歴史については、別の記事コンテンツにまとめていますので、参考にしてください。
〇ワーくプレイスの歴史:「オフィス・ワークプレイスの歴史」
まとめ
base ワークプレイスと学問
ワークプレイスが、「はたらく」という人間生活の基本要素の一部を支えていますので、学問との関わりは大切だと感じています。
参考文献等
参考文献 内田祥哉:建築と建築学・学問における価値と目的 東京大学出版会 1981.03.25