こんにちは、パラーツの鈴木です。
本日は、前回の自然と文化に続いて、内田祥哉先生の著書である現代建築の造られ方の11章、建築技術の課題から学ばせて頂いた内容として、「技術と公害」の視点から技術の課題を説明いたします。
はじめに
本書は、建築学のバイリンガルテキストとして2002年に刊行された、日英二か国語のバイリンガル形式で書かれている建築や建築構法などの専門知識がなくても読めるように執筆されたテキストです。
私は、前回の内容で「文化」について深く意識するようになり、今回の内容で、公害を造らないという強い意識を持ちました。
〇文化は人類が創造した技術の累積:「建築技術の課題・自然と文化から学ぶ」
現代建築の造られ方・技術の課題・技術と公害(技術の評価)
●前提
・文化が技術の成果だとしても、技術の成果がすべて文化といえるかどうか疑問が残る。
・技術は、しばしば公害をもたらすという指摘がある。
・文化が人間の自然界に対する加工の歴史とすると、文化そのものが自然破壊という風潮もある。
●内田祥哉先生のお考え
・文化が自然破壊であることは、避けられないとしても、それを公害というかどうかは、歴史の判断を待たなければならない。
●次の時代の評価
・技術の評価は、歴史の中で変化し定まっていくものである。
●現代の技術者ができること
・無公害の技術を開発することではなく、今よりも公害が少ないと考えられる技術を開発する努力をすること。
(【対訳】現代建築の造られ方 p.116より引用)
考察
技術の特徴である、技術には賞味期限があるということも内田祥哉先生から教えて頂きました。技術(How)は、時代のニーズにあった内容(What)を実現するための方法ですから、技術への評価は歴史の流れで変わってくるものです。
文化の定義は様々ですが、一般的には、前回の記事コンテンツでも説明したように、「人類がみずからの手で築き上げた有形・無形の成果の総体」です。
このように考えると、地球を加工して成果が、文化と公害に分かれる時の方法が技術ですから、技術者は責任重大です。
まとめ
base 文化と公害を意識する
私たちが抱えている大きな問題に環境問題があります。問題を捉えるときに、現代の問題ばかりに目が行きがちですが、社会の問題を俯瞰的に見て、歴史を理解しながら文化と公害を意識して、技術者として、大局的に判断していきたいものです。
参考文献等
参考文献 内田祥哉:【対訳】現代建築の造られ方 市ヶ谷出版社 2004.03.29