こんにちは、パラーツの鈴木です。本日は、ものづくり経営学の「無駄」について説明いたします。
はじめに
ものづくりという生産活動を行なっていると、俗にいうと、無駄な作業や無駄な時間があります。今回は、その無駄についての考察です。
藤本隆宏先生による、2016年に行なわれた東京大学の公開講座で、産業現場のムダ取り改善と成長戦略と題して、ものづくり経営学の根幹である「良い設計の良い流れ」と共に、「無駄」について分かりやすく説明されていますので、紹介いたします。
参考講義:産業現場のムダ取り改善と成長戦略
(講師:藤本隆宏先生)
●現場とは
・付加価値の流れる場所。
⇒現場の付加価値の総和が、日本経済GDP500兆円となる。
●現場の多面性
・現場 ⇒ 産業:付加価値で貢献。
・現場 ⇒ 企業:利益で貢献。
・現場 ⇒ 地域:雇用維持で貢献。
●良い現場の意味(良い現場を残すことが一番良い成長戦略)
・良い現場は人を育てる。
・良い現場は人生に意味を与える。
・三方良し(売り手良し・買い手良し・地域良し)
●良い流れ
・無駄をなくして流れを作るのが企業の根幹である(大野耐一)。
・コストを下げたかったらコストを見ずに、流れを見よ。
●付加価値
・設計情報に宿る。
●生産・製品とは
・設計情報が、媒体=素材に転写されたもの。
・生産を物が変形することとは考えずに、設計情報の転写と考える。
●ものづくり
・設計者の思いをものに作り込むこと。
・良い設計の良い流れを作ること。
・プロセスイノベーションとプロダクトイノベーションを同時に行なう。
参考動画:産業現場のムダ取り改善と成長戦略
考察
建築現場において以下の概念はとても大切だと考えています。
・現場=付加価値の流れるところ。
・ものづくり:設計者の思いをものに作り込むこと、良い設計の良い流れ。
・設計情報=付加価値。
・生産・製品:媒体への設計情報の転写。
このような理論を前提にすると、設計図をはじめとする媒体のクオリティの担保がいかに大切なことであるかが分かってきます。
まとめ
base 建築現場で無駄を意識する
製造業やサービス業と異なり、建築現場の特性上、「無駄」はたくさんあります。「無駄」について理論を踏まえた上で意識することは少ないと思いますので、「意識をする」から始めることが良いと思います。