こんにちは、パラーツの鈴木です。
本日は、学問のすゝめ「民間こそが手本となる」について説明いたします。
はじめに
この「民間こそが手本となる」という示唆が書いてあるのは、第4編・国民の気風が国を作るの編です。第4編・国民の気風が国を作るから「国にもバランスが必要」・「政府専制の限界」と3回に分けて説明してきました。
今回は、慶應義塾の創設者である福澤諭吉さんが、洋学を志す慶應義塾の同志に対して、自分達自身から事業をはじめるという決意です。
学問のすゝめ
●原文(福澤諭吉著:学問のすゝめより)
百回の説論を費やすは一回の実例を示すに若かず。今われより私立の実例を示し、「人間の事業はひとり政府の任にあらず。学者は学者にて私に事を行なうべし、町人は町人にて私に事をなすべし、政府も日本の政府なり、人民も日本の人民なり、政府は恐るべからず近づくべし、疑うべからず親しむべし」との趣を知らしめなば、人民ようやく向かうところを明らかにし、上下固有の気風もしだいに消滅して、はじめて真の日本国民を生じ、政府の玩具たらずして政府の刺衝となり、学術以下三者もおのずからその所有に帰して、国民の力と互いに相平均し、もって全国の独立を維持すべきなり。
●現代語訳(要約:齋藤孝:現代語訳学問のすすめより)
・世の中の事業は、ただ政府のみの仕事ではない。
・学者は学者として、官に頼らず事業をなすべし。
・町人は町人で、官に頼らず事業をなすべし。
・政府を恐れてはいけない、近づいていくべきである。
・上はいばり、下は卑屈になるという気風も次第に消滅して、はじめて本当の日本国民。
・政府のおもちゃではなく、政府に対する刺激となる。
・国民の力と政府の力のバランスが保たれ、日本全国の独立を維持すべき。
まとめ
base あらためて外部刺激の大切さを感じる
現在の社会状況を踏まえ様々な言論活動を聞いていると、私たちは、日本の国の未来を政府に任せきりにしないで、各々が自分でできることを自分で考え、少しでも強い外部刺激となれるような努力をする必要があると思います。
参考文献等
参考文献 福沢諭吉:学問のすすめ 青空文庫 2012.06.18
参考文献 福澤諭吉・斎藤孝:現代語訳学問のすすめ ちくま書房 2011.03.25