こんにちは、パラーツの鈴木です。本日は、
学問のすゝめの行動のために学問が急務について説明いたします。
はじめに
江戸時代は寺子屋制度があり、日本は識字率も高かったと言われていますが、学問のすゝめが書かれた明治時代の初頭は、まだまだ学力が足りずにたいへんであったのかもしれません。
学問を学び恐れずに行動すること、逆に、恐れずに行動するためにしっかりとした準備しなさい、学びなさいという示唆だと解釈しています。
学問のすゝめ 行動のために学問が急務
●原文(福澤諭吉著:学問のすすめより)
前文に言えるとおり、人の一身も一国も、天の道理に基づいて不羈(ふき)自由なるものなれば、もしこの一国の自由を妨げんとする者あらば世界万国を敵とするも恐るるに足らず、この一身の自由を妨げんとする者あらば政府の官史も憚(はばか)るも足らず。ましてこのごろは四民平等の基本も立ちしことなれば、いずれも安心いたし、ただ天理に従い存分に事となすべしとは申しながら、およそ人たる者はそれぞれの身分あれば、またその身分に従い相応の才徳なかるべからず。身に才徳を備えんとするには物事の理をしらざるべからず。物事の理を知らんとするには字を学ばざるべからず。これはすなわち学問の急務なるわけなり。
昨今の有様を見るに、農工商の三民は、その身分以前に百倍し、やがて士族と肩を並ぶるの勢に至り、今日にても三民のうちに人物あれば政府の上に採用せらるべき道すでに開けたることなれば、よくその身分を顧み、わが身分を重きものと思い、卑劣の所行あるべからす。
●現代語訳(齋藤孝訳:現代語訳学問のすすめより)
・一人の人間も、一つの国も、天の与えた道理というものに基づいて、もともと縛られず自由なもの。
・四民平等の基本もできたので、みな安心してただ天の道理にしたがって思う存分に行動するがよい。
・人には、それぞれの社会的役割や才能というものがある。
・才能や人間性を身につけるには、物事の筋道を知る必要がある。
・物事の筋道を知るためには、文字を学ばなければならない。
・現在学問が緊急に必要とされている。
・自分の社会的役割をきちんと認識し、その重さを考え、卑しいことをしないようにすべきである。
考察
「物事の理を知らんとするのは字を学ばざるべからす:物事の筋道を知る必要がある」には、文字を学ぶと同時に「論理」的であることが必要であると感じています。
論理については、別の記事コンテンツで数回にわたり基本を抑えようと思っています。
まとめ
base 行動のための継続的な学問が必要
現代では、ある程度の学識を持った上で行動していると思いますが、果たして、固定化したむかしの曖昧な知識で、より良い行動が出来るのでしょうか?
そこに気づき、自らの学びをはじめる人が、次の時代を牽引していくものと思います。
このことは、約2500年前のソクラテス・プラトンの時代から基本的には変わっていないことで、学びをやめるか、または学び続けて進化して真理を追究するか、どちらか?私は後者だと思っています。
〇ソクラテスとプラトン:「先達 ソクラテス・プラトン」
参考文献等
参考文献 福沢諭吉:学問のすすめ 青空文庫 20120618
参考文献 福澤諭吉・斎藤孝:現代語訳学問のすすめ ちくま書房 2011.03.25