こんにちは、パラーツの鈴木です。本日は、学問のすゝめの「分限ある自由」について説明いたします。
はじめに
自由には色々な定義があります。例えば禅語では、すでに得たものには縛られずに、他(他人等)に由らずに自ら(自分)に由ること等です。学問のすゝめでは、自由とわがままは違い分限(義務)を知ることが肝要と説明されています。
学問のすゝめを学んできた私が感じることは、読者の方々が、まだ充分に行うことができていない本当の「学問・学び」に出合うことで、自らの学びをもっと深めることが必要であるということに気づくことが大切なことだと思っています。
福澤諭吉さんが遺してくれた学問のすゝめを私なりに読み解いて、学問のすゝめの意図を詳細に書くことを志して書いてから、この記事コンテンツが3番目です。順に読んでくださいね。
学問のすゝめ 分限を知ることが肝要
●原文(福沢諭吉著・学問のすゝめより)
学問をするには分限(ぶんげん)を知ること肝要なり。人の天然生まれつきは、繋(つな)がれず縛られず、一人前(いちにんまえ)の男は男、一人前の女は女にて、自由自在なる者なれども、ただ自由自在とのみ唱えて分限を知らざればわがまま放蕩に陥ること多し。すなわちその分限とは、天の道理に基づき人の情に従い、他人の妨げをなさずしてわが一身の自由を達することなり。自由とわがままの界(さかい)は、他人の妨げをなすとなさざるとの間になり。譬(たと)えば自分の金銀を費やしてなすことなれば、たとい酒色に耽(ふけ)り放蕩を尽くすも自由自在なるべきに似たけれども、けっして然(しか)らず、一人の放蕩は諸人の手本となり、ついに世間の風俗を乱りて人の教えに妨げをなすがゆえに、その費やすところの金銀はその人のものたりとも、その罪許すべからず。
●現代語訳(齋藤孝訳・現代語訳学問のすすめより)
現代語訳より、ポイントとなる部分を箇条書きにします。
・学問をするには、なすべきことを知ることが大事。
・人は生れながらに自由であるが、ただ自由とだけ言って分限を知らなければ、わがまま放題となる。
・分限とは、天の道理に基づいて人の情にさからわず、他人の害となることをしないこと。
・自由とわがままの境目とは、他人の害となることをするかしないかにある。
・自分のお金を使ってやりたい放題やるのは自由と思われがちだが、他の人の悪い手本になって、やがて世の中の空気を乱してしまうので、許されないことだ。
関連 分限とは?
・持っている身分・才能などの程度。身のほど。
・ある物事の可能の限度、また、その能力や力。
参考URL:コトバンク・分限
考察
福澤諭吉さんの学問のすゝめでは、個人的に独立し、家も独立し、国家も独立することが大切と説かれています。分限ある自由とは、個人的に独立するための基本となる気概ではないかと感じています。
まとめ
base 健全な自由のために
人に頼らず、出来るかぎり「独立・自律・自立」の気概を持つことが求められていると思います。
参考文献等
参考文献 福沢諭吉:学問のすすめ 青空文庫 20120618
参考文献 福澤諭吉・斎藤孝:現代語訳学問のすすめ ちくま書房 2011.03.25