こんにちは、パラーツの鈴木です。
本日は、建築基準法の「避難安全検証法の見直し」について説明いたします。
まえがき
避難安全規定では、在館者の避難安全性を確保するため、廊下や階段等の避難施設、防火区画、排煙設備、内装制限等に関する規定は、仕様規定で定められています。この方法は、ルートAといわれています。
一方で、この仕様規定によらず、個別の建築物に応じたシミュレーション等による高度な安全性の検証に裏打ちされた自由度の高い設計に対応するため、2000年(平成12年)、建築基準法に「避難安全検証制度」が位置付けられました。
建築基準法施行令及び国土交通省告示において手法が定められている「告示による検証法・ルートB」か、個別に「国土交通省による認定を受ける検証法・ルートC」の2通りがあります。また、避難安全検証を行う単位は、「階」と「全館」があります。
避難安全検証法の見直し
避難安全検証法の創設から20年経過し、この間の様々な技術的知見と、避難上の安全性の確保を前提とした多様な設計ニーズへの対応のため、「検証単位の追加」「判定法の追加」「計算方法の合理化」の見直しが行われた。
●検証単位の追加 建築基準法施行令第128条の6
建築物の階の一部のみを仕様規定によらないこととするニーズに対応するため、適切な区画がなされた部分(区画部分)のみについて避難安全性を検証することができるものとする見直しが行われた。
この見直しにより、階避難安全検証と全館避難安全検証に、区画避難安全検証が加わった。
なお、ルートBとルートCによる法的効果の違いはなく、適用除外となる仕様規定は同一です。
●ルートBにおける安全性の判定法の追加 建築基準法施行令第129条 129条の2
従来の「時間判定法」に加えて、より精度の高い方法で、「時間の経過に応じた煙・ガスの発生量を正確に予測するモデルに基づき、「在館者の避難が終了した時点での煙・ガスの降下レベルが、在館者が煙・ガスに巻かれる位置(1.8m)に達していないこと」を確かめる「高さ判定法」を追加したもの」
●計算方法の合理化 建築基準法施行令第128条の6、第129条、第129条の2
室内の避難者の行動を、より実際の避難行動に近いモデルを前提とした計算方法を追加したものです。
あとがき
base 避難安全検証法の概念と見直しを知る
避難安全検証法の概念と制度の見直しは、の在館者の避難安全性を確保するという避難関係規定の目的を守りつつ、より実態に沿った規定にしようということです。
  
  
  
  