Zen 茶禅一味に学ぶ

こんにちは、パラーツの鈴木です。
本日は、禅を起点とした茶道の「茶禅一味」について説明いたします。

はじめに

禅は、茶道や華道等と密接な関係があります。この記事コンテンツでは、茶と禅の歴史をたどりながら説明したいと思います。

茶の伝来から茶道確立へ

茶と禅

茶道を貫く基本的な精神は「禅」が根本で、茶と禅は密接な関係と言われています。
鎌倉時代までの仏教の役割は、国家や社会の安泰でしたが、鎌倉時代以降の仏教の役割が、国家や社会の安泰だけでなく人間そのものに重きを置くようになったことが背景にあります。

茶と禅の歴史

禅と共に伝わった茶

栄西禅師が、宋(960年~1279年)で学んだ禅と共に、茶の点て方(抹茶法)などを日本に伝えました。
明(1368年~1644年)の時代、日本には室町文化が開化し、茶の湯が次第に変化をとげて、唐物を第一とする茶の湯から、精神面を重視したわび茶が誕生しました。

わび茶の世界観へ

村田珠光が、能阿弥から茶を学び一休宗純禅師から禅を学んで、「茶禅一味」の境地を開いたと伝えられています。

和歌の心を取り入れた

武野紹鷗が、それまでは唐物が第一とされた茶の湯に、和歌の心を取り入れた新しい形の「わび」へと進化させました。禅を通じて、茶と禅は同様にものであるとして体得していきました。

千利休の茶

村田珠光と武野紹鷗らによるわび茶を受け継いだ千利休が、わび茶の草分けである北向道陳らに茶の湯を学び、大林宗套らに禅を学び、わび茶を完成させました。
千利休は、織田信長と豊臣秀吉の茶匠をつとめています。

茶道の確立

千宗旦が、清らかで質素な生活の中で「茶禅一味」の境地を求めて実践しました。
「茶の湯は単なる遊芸ではなく、茶と禅が一つになった人間形成の道、すなわち茶道でなければならない」と後世の茶人に示すことになりました。

人物解説

●栄西禅師(1141年~1215年)
日本に臨済宗を伝え建仁寺を開山。日本に喫茶の方法などを伝えた。

●能阿弥(1397年~1471年)
室町時代の芸術家(絵画・連歌・茶の湯)。

●一休宗純(1394年~1481年)
室町時代の臨済宗大徳寺派の禅僧。

●村田珠光(1423年~1502年)
室町時代中期の茶人。「わび茶」の開祖といわれている。

●武野紹鷗(1502年~1555年)
茶人。町人の茶の基礎作りをおこなった。

●千利休(1522年~1591年)
戦国時代から安土桃山時代にかけての茶人。わび茶の完成者とも称される。

●千宗旦(1578年~1658年)
千利休の孫。茶人。千家再興の人。

茶禅一味(禅語)とは

「茶と禅は違うように見えても、人間形成において求めている境地は同じ」という意味です。

考察

私は、茶道を実践している訳ではないですが、以前に、茶道文化を一通り学びたいと思い、茶道文化検定4級を取得しました。禅との関係も良く分かるようになりました。
以下が学習項目です。参考としてください。

①茶のこころ
②茶の歴史
③茶会・茶事
④茶道具
⑤茶室・路地

まとめ

base 茶と禅の精神・人間形成

齋藤孝さんの著書に、遠州流茶道家元・小堀宗実さん談として「茶の湯の作法は二の次で、まずはお茶を楽しんでいただくことが基本です。」とあります。茶と禅の精神を理解しながら茶を楽しむことが人間形成に繋がると解釈しました。

参考文献等

参考文献 小林敬和(読売新聞社編):茶人物語 中央公論新社 2012.10.25

参考文献 (財)今日庵 茶道資料館:3級・4級用茶道文化検定公式テキスト 2011.07.06

参考文献 齋藤孝:こんなに面白かった!「ニッポンの伝統芸能」 PHP研究所 2011.07.22

伝統・文化
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管理人

●名  称:パラーツ計画技術研究所
●名  前:代表 鈴木邦彦
●生年月日:1961年生まれ
●専  門:建築構法・建築生産
●資格 等:一級建築士
      監理技術者
      工学修士
      儀礼本科修了
      茶道文化検定

●ブログ運営の目的
第一の人生で、縁をいただいた専門・組織・分野での貴重な実務経験と、自ら行なってきた学びを基に、ワークプレイスの技術でしっかり成果を出して、後進や社会に貢献したいと考え創業したパラーツ計画技術研究所のブログです。
このブログで、安心とゆたかさに関連する事の基本的な考え方とやり方を伝えていき、『ワーカーのための論理的な基盤』の一翼を構築し更新することを目的にしています。

●学歴・職歴
1987年 明治大学大学院博士前期課程修了
1987年-1997年 建築士事務所
1997年-2002年 機械土木系事業会社
2002年- インテリア・什器系事業会社
2022年- パラーツ計画技術研究所
・「建築・都市・土木・インテリア」という多様な領域の実務経験
・「開発・設計・監理・管理」という幅広い領域の実務経験

●実績・執筆(共著)
・群居29 特集X年目のすまい
・SD別冊25 近未来実験集合住宅NEXT21 「部品3パート」
・コンバージョン[計画・設計]マニュアル 「サブシステム・インフィル」
・インテリアプランナー更新講習テキスト 「ワークプレイスのリ・デザイン」
・インテリアプランナー更新講習テキスト 「New NormalとWorkplace」

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